2023/12/21 19:19

布団から出たくない季節になりました。子どもの頃はあれこれ言い訳をして時間稼ぎをしたものですが、さすがに今は自分の首を絞めることになるだけで何の意味もありません。起きてしまえば何とかなることは分かっているのですが、毎朝大げさに覚悟を決めて、後ろ髪を引かれる思いで暖かい布団から這い出します。世の中にはそんなざれ言につき合っている暇もなく、いついかなる時でも出動できるよう、万全の準備態勢で寝起きされている方々が多くいらっしゃると思います。そのような方々のおかげで私たちの健康と安全が守られ、安心して生活できることを考えると、感謝と敬服の念に堪えません。

さて、そんな頼もしいヒーローが江戸の世にも居たことをご存知でしょうか。その名を臥煙(がえん)と言います。江戸幕府が設置した火消屋敷(今で言うところの消防署)に常駐していた火消卒(今で言うところの消防隊員)のことです。身体にいれずみを入れて勇ましい気風だったそうですが、乱暴なふるまいも多かったことから、ならず者の総称にもなっていたようです。真冬でも素肌にチームの法被(はっぴ)一枚しか羽織らず、出動する時は全身に入れたタトゥーもあらわに、白足袋のまま飛び出していく。イケメン、マッチョでパワフルな上にヘアスタイルやファッションセンスもイケてる男たち。日ごろ若干ムチャなことをやっても世間から許されてしまう存在の彼らにあこがれて、厳寒時でも出動しなければならない過酷な職業であることも忘れ、臥煙(がえん)のメンバーに入ってしまう良家の子息が少なくなかったそうです。なんとなく、わかる気がします。

正義感が強く、強きをくじき、弱きを助け、きっちり道理をわきまえていた男たち臥煙(がえん)。彼らはチームリーダーが管理する大部屋で寝食を共にしており、三度の食事以外は有事に備えて身の回りを整えることに専念していました。そして夜寝る時には、10人から15人が1本の丸太を枕にして眠り、火災を知らせる櫓太鼓が鳴ると、寝ずの番によって丸太枕の木口をハンマーで叩いて起こされ、部屋を飛び出して現場に急行しました。残念なことに、火災現場で命を落とす者も時折いたようです。火事に備え、薄着のまま丸太を枕にして寝ていた臥煙(がえん)たちのことを思うと、寒いだの、布団から出たくないだの意気地のないことを言っている自分がなんだか恥ずかしくなってきます。
現代では消防隊員の方々がまさしくこの頼もしい存在に相当するわけですが、隊員のみなさんをいたずらに叩き起こさぬためにも、私たちにできる対策はしっかりとしておきたいものです。そこでお役立ていただきたいのが、種三郎商店オリジナルの消火布「GAENファイヤー・クロス」です。耐熱温度840℃(軟化点)の耐熱性に優れた素材を使用しており、高い耐火性能と消火機能を発揮しますので、てんぷら油火災などの初期消火にもってこいの頼もしいアイテムです。使い方は簡単。「GAENファイヤー・クロス」を袋から取り出し、コーナーポケットに左右の手を差し込んで広げ、そのまま火元に被せるだけ。炎による延焼を抑え、酸素が遮断されることにより消火に至ります。(注:完全に消火するまでには時間がかかります)

お家のキッチンやキャンピングカー、キャンプなどにもぜひどうぞ!「GAENファイヤー・クロス」はあなたのお側で、寝ずの番をお約束いたします!


<参考>